ゴールド過去最高値更新! 次の買い時はいつ!?
りん:
ぐっさん先生、この前ニュースで見ました!
金を買うために行列ができてましたよ。
「インフレ対策」「今がチャンス」って言ってて、ちょっと心が動いちゃいました。
FPぐっさん:
あぁ、あのニュースですね。
確かに最近は金の価格が大きく上がっています。
データを見てみましょう。
- ドル建て金価格(XAU/USD):
2019年に1オンス=約1,400ドル → 2024年には約2,400ドル台。
およそ1.7倍の上昇です。 - 円建て価格では、
1グラムあたり約5,000円 → 現在は約13,000円。
実に2.5倍以上になっています。
りん:
えっ、そんなに!?
そりゃ行列もできるわけですね。
でも、やっぱりそれだけ価値があるってことじゃないですか?
■ ゴールドの「価値保存」と「現代的な役割」
FPぐっさん:
確かに、金は古来から“価値を保存する資産”として信頼されてきました。
貨幣価値が揺らいでも、金そのものは世界共通の「実物価値」を持ち続ける。
それが長く愛されてきた理由です。
りん:
なるほど。でも、昔の話じゃないですか?
FPぐっさん:
いいところに気づきましたね。
実は今の経済の中でも、ゴールドの重要性は別の意味で高まっているんです。
たとえば半導体産業。
金は電気を非常によく通し、腐食しにくい性質を持っているので、
スマートフォンや自動車、AIサーバーなどの半導体接点・電子部品の材料としても使われています。
つまり、
「価値を保存する金」から「テクノロジーを支える金」へ。
そうした産業的な実需の拡大が、金価格を支える一因にもなっています。
りん:
えっ、そうなんですか?
それなら値上がりも納得できますね。
FPぐっさん:
そうですね。
ただし注意が必要なのは、実需による上昇と投機による上昇は全く別物ということです。
■ 「乗り遅れたくない」が投資を誤らせる
FPぐっさん:
最近のニュースでの行列は、実需ではなく群集心理による投機の波です。
「もう上がっているから、自分も買わないと損をする」と考えてしまう。
これは心理学で言うFOMO(Fear of Missing Out)=取り残される恐怖です。
りん:
「買わなかった自分が損した気になる」やつですね。
FPぐっさん:
そう。
本当は何も失っていないのに、利益を取れなかったことを“損”と感じる。
この感情が、相場を一気に加熱させていくんです。
■ 群集心理がバブルをつくるメカニズム
FPぐっさん:
歴史を見ても、バブルの始まりはいつも“合理的な理由”からなんです。
でもやがて、「みんなが買っているから安心」という社会的同調の波が生まれると、
価格が実体から離れ、どんどん膨らんでいきます。
1980年代の日本株バブルも、2000年のITバブルも、
そして今のゴールド高にも、その構造が見えます。
りん:
たしかに、行列ができる頃って、もうピーク近いかもしれませんね。
FPぐっさん:
そう。
群集心理のピーク=価格の天井であることが多いんです。
行列に安心感を覚えた瞬間、リスクが最も高くなっている――
そこが投資の難しさであり、怖さでもあります。
■ 要注意:「行列ができる投資」は冷静さを失うサイン
FPぐっさん:
投資の世界では、「行列ができたとき」は、
群集心理が頂点に達しているサインといえます。
金のような長期的価値を持つ資産でさえ、
人々の心理次第で“投機の対象”になってしまう。
安心を求めて並ぶ行列の中に、
実は最も危険な「安心の錯覚」が潜んでいるんです。
りん:
なるほど…。
「不安だから買う」って行動が、かえってリスクになるんですね。
FPぐっさん:
その通り。
だから次は、「そもそも金と株式では、長期でどんな違いがあるのか」――
数字で確かめてみましょう。
つづきは次の記事で
