日経新聞が伝えた「住宅ローン金利上昇」
——“低金利の常識”が崩れた今、家づくりで本当に考えるべきこと
2026年1月、**日本経済新聞**は
日銀の金融政策転換を背景に、住宅ローン金利が上昇局面に入ったことを報じました。
これまで当たり前のように続いてきた低金利環境が終わり、
住宅ローンを取り巻く前提条件が静かに、しかし確実に変わり始めています。
私たちは「異常な低金利」に慣れすぎていた
ダイヤモンド不動産研究所がまとめた過去の住宅ローン金利を見ると、
2010年代以降の金利水準は、歴史的に見ても極めて低い状態が続いていました。
- 変動金利:0.3〜0.5%台
- 固定10年:1%前後
この水準が10年以上続いたことで、
「住宅ローンは低金利が普通」
「この状態が続く前提で考えていい」
そんな感覚が、多くの人の中に定着しました。
しかし視点を少し引いてみると、
1990年代は固定金利3〜4%台、
さらに前は5%を超える時代もあります。
つまり現在起きているのは、
「異常な低金利」から「現実的な金利」への回帰です。
金利上昇に、物価と建築価格の上昇が重なっている
さらに見逃せないのが、
この金利の変化と同時進行で起きている物価上昇です。
近年のインフレは、資材費・人件費・物流費といった
「作る側のコスト」が押し上げられるコストアップ型インフレ。
住宅も例外ではありません。
10年前と比べると、同じ規模・同じ仕様の家でも、
建築価格そのものが大きく上昇しています。
その結果、住宅購入では
- 借入額は増え
- 金利も上がり
- 返済期間は変わらない
という、住宅ローンにとって最も負担が重くなりやすい条件が重なっています。
では実際に、
「低金利・低価格の時代」と
「現在の金利・価格水準」では、
どれほど返済に差が出るのでしょうか。
数字で見る、2つのケース比較
ケース①
借入額:3,000万円
金利:0.5%
返済期間:35年
- 毎月の返済額:約 7.8万円
- 総返済額:約 3,280万円
ケース②
借入額:4,000万円
金利:2.0%
返済期間:35年
- 毎月の返済額:約 13.3万円
- 総返済額:約 5,580万円
差は「月5.5万円」、総額で2,300万円超
2つのケースを比べると、
- 毎月の返済額差:約 5.5万円
- 総返済額の差:約 2,300万円以上
月5.5万円は、
子どもの教育費、老後資金の積立、家族旅行、
そのどれか、あるいはすべてを左右する金額です。
しかもこれは、
「金利だけ」
「借入額だけ」
の影響ではありません。
金利上昇 × 建築価格上昇
この2つが同時に起きた結果です。
「今払えるか」ではなく「これからも払えるか」
住宅ローンは35年という長い時間、
収入が増える時期、横ばいの時期、
そして減る可能性のある時期も含めて返済していきます。
だからこそ重要なのは、
「今の収入で払えるか」ではなく、
**「人生の変化があっても払い続けられるか」**です。
住宅は、家族に安心を与えるためのもの。
返済が重荷になってしまえば、その役割を果たせません。
家族に安心を残すために必要なこと
金利が上がったこと自体が問題なのではありません。
本当のリスクは、
異常な低金利を前提にした計画のまま家を建ててしまうことです。
- 金利は動く
- 物価も動く
- 人生も変わる
そのすべてを織り込んだうえで、
無理のない返済計画を立てること。
それが、
家族に「安心して住める家」を残すための、いちばん確実な方法です。
住宅ローンは、
「借りられる額」ではなく、
「安心して返し続けられる額」で決める。
金利と物価が動き始めた今だからこそ、
計画の重要性が、これまで以上に問われています。
📘 投稿者:FPぐっさん/CoMIRAIZ
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