「思ったより少なくない?」——初任給のリアル
4月から社会人になる皆さん、おめでとうございます。
初任給、楽しみですよね。でも最初の給与明細を開いたとき、きっとこう思うはずです。
「…思ったより少なくない?」
たとえば額面25万円の場合、手元に届くのは約20万円。知らない間に5万円が引かれています。
この記事では、FP資格を持つ筆者が、新社会人が最初に知っておくべきお金の基本を3つに絞ってお伝えします。
基本①|「額面」と「手取り」は違う
まず押さえたいのが、額面(総支給額)と手取り(振込額)の違いです。
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 額面(総支給額) | 25万円 |
| 健康保険料 | 約1.2万円 |
| 厚生年金保険料 | 約2.3万円 |
| 雇用保険料 | 約1,500円 |
| 所得税 | 約5,000円 |
| 手取り(振込額) | 約20.5万円 |
※金額は一般的な目安です。勤務先や地域によって異なります。
※住民税は2年目の6月から天引きが始まります。
「え、こんなに引かれるの?」と驚く人がほとんどです。でも、この差額を「引かれている」と捉えるか、「積み立てている」と捉えるかで、お金に対する向き合い方がまったく変わります。
基本②|「取られてる」んじゃない。「守られてる」。
給与から天引きされるお金には、すべて理由と役割があります。
健康保険料 —— 今の自分を守るお金
病院の窓口で払う金額が3割負担で済むのは、毎月の健康保険料のおかげです。もし全額自己負担だったら、風邪で受診するだけで数千円、入院すれば数十万円の請求がきます。
さらに、高額療養費制度により、月の医療費が一定額を超えると超過分が戻ってきます。これも健康保険の仕組みです。
厚生年金保険料 —— 未来の自分に届く積立金
「年金なんてもらえるかわからない」という声をよく聞きます。でも厚生年金は、会社が同額を上乗せして払ってくれている制度です。
たとえば月2.3万円の天引きなら、会社もさらに2.3万円を負担しています。つまり実質月4.6万円が将来のために積み立てられている計算です。
雇用保険料 —— もしもの時のセーフティネット
転職や失業の際に失業給付(失業手当)を受け取れるのは、この保険料のおかげです。月額約1,500円で、いざという時の安心を買っていると考えると、非常に合理的な出費です。
知らないと「なんで取られるんだろう」と損した気分になりますが、仕組みを知ると「守られている」に変わります。
給与明細は、自分がどう守られているかの説明書。ぜひ毎月チェックする習慣をつけてみてください。
基本③|「先取り貯金」を初月から始める
お金の基本の最後にして、最も大切な習慣です。
「余ったら貯金しよう」は、一生貯まらない
これは多くのFPが口を揃えて言うことですが、「余ったら貯めよう」では貯金はできません。
なぜなら、お金は「あるだけ使う」のが人間の自然な行動だからです。手取り20万円が口座にあれば、20万円なりの生活をしてしまう。これは意志の問題ではなく、行動経済学的にも証明されている傾向です。
先取り貯金のやり方
方法はとてもシンプルです。
- 給料日に、まず貯金分を別口座に移す
- 残ったお金で1ヶ月を過ごす
これだけです。
金額は月1万円からで十分。大事なのは金額の大きさではなく、「先に取り分ける」という順番を最初の給料から始めることです。
1万円 × 12ヶ月 × 3年 = 36万円
社会人3年目で36万円の貯金がある人とゼロの人では、心の余裕がまったく違います。転職を考えるとき、引っ越しが必要になったとき、その差は「選択肢の数」として現れます。
まとめ|新社会人のお金の基本3つ
- 手取り ≠ 額面を理解する —— 給与明細の見方を知る
- 天引きの正体を知る —— 「取られてる」ではなく「守られてる」
- 先取り貯金を初月から始める —— 月1万円で十分。順番が大事
どれも難しいことではありません。知っているかどうか、始めるかどうかの差です。
この記事が「知ってよかった」と思ってもらえたら、これから社会人になるお子さんやお知り合いにもシェアしていただけると嬉しいです。
*この記事は一般的な金融知識の提供を目的としており、特定の金融商品の推奨・勧誘を行うものではありません。具体的な資産設計については、専門家にご相談ください。
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