熱中症で救急搬送されたら医療費はいくら?

— 8月から変わる高額療養費制度と家計への影響

毎日ニュースで熱中症による救急搬送のニュースが流れています。

「自分は大丈夫」と思いながら、外に出た瞬間にクラっとした経験がある方も多いのではないでしょうか。

ファイナンシャルプランナーとして、この時期にどうしても伝えたいことがあります。
「熱中症の怖さ」ではなく、「万が一の時の医療費」の話です。


熱中症で病院に行ったら、いくらかかる?

健康保険が適用されるとはいえ、症状によって負担額は大きく変わります。

軽症(外来・点滴処置のみ)
外来で点滴を受けて帰宅できる場合、健康保険3割負担であれば数千円程度で済むことが多いです。

中等症(数日間の入院)
入院が必要になると話が変わります。
検査・処置・入院費・食事代を合わせると、数日でも数万〜十数万円になることがあります。

重症(ICU・長期入院)
意識障害や多臓器不全を伴う重症例では、ICU管理や長期入院が必要になります。
こうなると医療費は大きく膨らみ、高額療養費制度の上限を超えるケースも出てきます。


「高額療養費制度があるから安心」は本当か

医療費が高くなった場合、「高額療養費制度があるから大丈夫」と思っている方は多いと思います。

確かにこの制度は優れた社会保障です。
月の医療費が一定額を超えた場合、超えた部分が後から払い戻される仕組みで、家計を守る重要なセーフティネットになっています。

ただ、2点注意が必要です。

① 立替払いが必要な場合がある
高額療養費は「後から払い戻される」制度です。
事前に医療機関へ「限度額適用認定証」を提示すれば立替不要になりますが、急な入院では手続きが間に合わないこともあります。

② 8月から上限額が引き上げられます

2026年5月29日に「健康保険法等の一部を改正する法律」が成立し、同年8月から高額療養費制度の月額自己負担上限が引き上げられます。

たとえば年収370万円未満の方の区分では、月の上限が約3,900円増加します。
(出典:厚生労働省)

「3,900円くらいなら大した話じゃない」と思うかもしれません。

でも入院が複数月にわたれば、その分が積み重なります。
また、複数の家族が入院するようなケースでは、影響はさらに大きくなります。

制度の「存在を知っている」だけでなく、「改正後の内容を把握している」ことが大切です。


FPとして伝えたいこと — 家計の耐熱チェック

熱中症は予防できるリスクです。
日中の外出を控える・水分をこまめに摂る・エアコンを適切に使う。

でも、防ぎきれなかった時のために、お金の準備も必要です。

チェックポイント3つ

① 緊急予備資金はあるか
急な入院の際、立替払いや仕事を休んでいる間の生活費をカバーできる現金がありますか?
目安は生活費の3〜6か月分です。

② 医療保険の入院給付日数は十分か
「1入院60日」「通算1095日」など、加入している保険の支払い条件を確認してみてください。
重症化した場合、給付が途中で止まるケースもあります。

③ 家族分も含めて確認できているか
ご自身だけでなく、配偶者・子ども・高齢の親の医療保険や緊急資金の状況を把握していますか?


この夏、暑さ対策と「家計の耐熱チェック」を一緒に

今年の夏は特に厳しい暑さが続いています。

8月から制度が変わるこのタイミングに、ご自身の医療費の備えを一度確認してみてください。

「制度を知っていれば、いざという時に慌てない」

これがFPとして伝えたい一番のことです。

ご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。


出典:厚生労働省「健康保険法等の一部を改正する法律」(2026年5月29日成立)

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