資産運用「順調」でも、相談に来た理由とは
60代・上場企業勤務の女性の資産相談事例
今回ご相談に来られたのは、60代の女性。
上場企業に長く勤め、資産形成もこれまで堅実に進めてこられた方です。
一見すると、「特に困っていない」ように見える状況でした。
- 持ち株制度で数百万円分の自社株を保有
- 株価は順調に値上がり
- 企業型DCにも加入しており、運用成績も良好
それでも、NISAをきっかけに「一度きちんと整理したい」と思われ、面談に来られました。
「何を買えばいいのか分からない」という正直な悩み
NISAについては興味があるものの、
「何を買っていいのか、正直よく分からなくて」
というのが率直なお気持ちでした。
投資に対しては、
- 売買を繰り返すもの
- タイミングが大事
- 間違えると損をする
そんなイメージをお持ちでした。
そこで、売買を繰り返すほどリターンが下がりやすいというデータをお見せしながら、
「投資は“動かすこと”より、“続けること”の方が成果につながりやすい」
という点を丁寧に共有しました。
見えてきた「資産以外」の課題
お話を進める中で、資産運用以外の重要なテーマも見えてきました。
- ご主人の資産状況は詳しくは分からないが、多くはなさそう
- ご夫婦とも保障は共済のみ
- 将来の保障が不足する可能性が高い
- ご主人の死亡保障も気になっている
さらに、昔仕事で使っていた倉庫が放置されたままという点もあり、
資産としてどう扱うべきか、整理が必要な状況でした。
「保険の入り方」も、実は選択肢がある
保険については、
- 月払い
- 年払い
この2つしか知らなかったとのこと。
そこで、一時払いという選択肢もあることをお伝えしました。
資産がある程度ある方の場合、
一時払いの方がトータルで有利になるケースもあります。
「必ず一時払いが良い」という話ではありません。
自分の資産状況に合った形を“調べて選ぶ”ことが大切、
その点をお伝えしました。
「順調」だからこそ、判断が難しくなる
この方のように、
- 運用はうまくいっている
- 大きな失敗もしていない
そういう状態ほど、
- 何を変えるべきか
- 何を変えなくていいか
の判断が難しくなります。
自己判断だけで進めると、
「やらなくてよかったこと」をやってしまったり、
「本当は必要だった備え」を後回しにしてしまうことも少なくありません。
結論:アドバイザーの価値は「答え」ではなく「整理」にある
今回の相談を通じて改めて感じたのは、
アドバイザーの価値は、商品を勧めることではないという点です。
- 今ある資産をどう位置づけるか
- 何が足りていて、何が足りていないのか
- やらなくていいことは何か
これを一緒に整理することで、
「安心して何もしない」という選択も、
「納得して次に進む」という選択もできるようになります。
資産形成が順調な方ほど、
一度立ち止まって全体を俯瞰する時間には、
確かな価値があります。
📘 執筆:FPぐっさん/CoMIRAIZ
お金の不安を、生きる力に変える。
長期・分散・積立の原則で、企業と働く人のウェルビーイングな資産形成をサポートしています。

